知らないと年間40万円の損!定年前に必ずチェックすべき「加給年金」と「振替加算」もらい忘れ防止完全ガイド

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「定年後は年金だけで暮らしていけるのだろうか……」

50代を過ぎ、退職の二文字が現実味を帯びてくると、多くの方が抱くのが「お金」への漠然とした不安です。長年、必死に働いて家族を支えてきたあなたにとって、老後の資金計画は人生最大のプロジェクトと言っても過言ではありません。

そんな中、意外と知られていない、あるいは複雑すぎて放置されがちなのが「加給年金(かきゅうねんきん)」「振替加算(ふりかえかさん)」という制度です。

結論から申し上げます。条件を満たす方がこの制度を正しく理解し、手続きを行うだけで、年間で約40万円ものお金が年金に上乗せされる可能性があります。逆に言えば、知らないまま放置すると、数百万円単位の損失を被ることになりかねません。

「自分は対象なのだろうか?」「手続きはどうすればいいの?」 そんな疑問をお持ちのあなたに、どこよりも分かりやすく、かつ網羅的に解説します。この記事を読み終える頃には、あなたの不安は「具体的な安心」へと変わっているはずです。

  1. 1. 加給年金と振替加算の基本|仕組みと違いをわかりやすく解説
    1. 加給年金とは何か:基礎年金・厚生年金との関係と受給要件
    2. 振替加算の定義と加給年金の違い(誰に何が支給されるか)
    3. 対象者の条件まとめ:配偶者(妻・年上)や子どもの基準と昭和41年ルール
    4. 支給権発生のタイミングと加入期間・退職後の考え方
  2. 2. 振替加算はいつまで支給される?支給停止・終了の具体例
    1. 支給が終了する主なケース:配偶者の死亡・再婚・受給権の発生
    2. 年齢・生年月日による期限(昭和41年・4月1・4月2の扱い)
    3. 繰り下げや請求のタイミングが支給期間に与える影響
    4. 支給停止になる所得・条件と部分支給になるケース
  3. 3. 振替加算の手続きフローと必要書類:失敗しない方法
    1. 申請の基本ステップ(請求→確認→支給)と退職後の注意点
    2. 必須書類一覧:戸籍謄本・住民票・所得証明・年金手帳など
    3. 年金事務所やオンラインでの手続き方法と事前確認ポイント
    4. 書類不備や期限遅れで発生する問題と対処法(注意点)
  4. 4. 加算額・金額の計算方法とケース別シミュレーション
    1. 基本的な加算額の計算
      1. 加給年金額(2024年度の基本額)
      2. 具体的な計算例
      3. 【特別加算(配偶者分)について】
    2. 障害年金(2級など)や他制度が金額に与える影響
  5. 5. 「加給年金はずるい」と言われる理由と制度の背景
    1. よくある不満と誤解:なぜ『ずるい』と感じられるか
    2. 制度設計と改正の歴史:社会保険・年金制度の観点からの解説
  6. 6. 手続きで失敗しないための注意点と準備(請求前〜維持まで)
    1. 頻出ミスとチェックリスト:確認すべき項目と期限
    2. 支給停止を避けるための具体的対策(再婚・収入変動など)
      1. 「在職老齢年金」とは
      2. 在職老齢年金制度の計算式
        1. 例①:全額支給のケース
        2. 例②:一部支給停止のケース
        3. 例③:全額支給停止のケース
    3. iDeCo・他の保険や老齢年金・基礎年金との関係と影響
  7. まとめ:今すぐできる準備と老後の資金戦略
    1. おさらいチェックリスト
    2. 今やるべき3つのアクション
  8. Q&A
    1. Q1. 加給年金の受給要件である厚生年金の加入期間20年以上というのは、途中にブランクがあっても合計20年以上あれば良いのでしょうか?
    2. Q2. 夫婦共、既に20年以上厚生年金に加入しています。夫が65歳で老成厚生年金を受給するとき、配偶者が60歳でまだ年金を受給していない場合、加給年金は受給できますか?
    3. Q3. 配偶者の年収が600万円で夫の扶養に入っていなかった場合、加給年金は受給できますか?
    4. Q4. 在職老齢年金の基本月額に老齢基礎年金は含まれないのですか?
    5. 関連

1. 加給年金と振替加算の基本|仕組みと違いをわかりやすく解説

年金制度は「2階建て」とよく表現されますが、加給年金はいわばその上に乗る「家族手当」のようなものです。まずは、その全体像を掴んでいきましょう。

加給年金とは何か:基礎年金・厚生年金との関係と受給要件

「加給年金」とは、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が、65歳になった時点で、その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者(妻や夫)や18歳未満の子どもがいる場合に、老齢厚生年金に加算されるお金のことです。

多くのケースでは「夫が20年以上サラリーマンとして働き、専業主婦やパートの妻を養っている」というパターンで支給されます。

  • 1階部分: 老齢基礎年金(みんなもらえる)
  • 2階部分: 老齢厚生年金(働いた分だけもらえる)
  • プラスアルファ: 加給年金(家族がいれば上乗せされる!)

この「家族手当」は、配偶者が65歳になるまで支給されます。後述しますが、金額も年間約40万円(特別加算を含む)と非常に大きく、老後の家計を支える強力な味方となります。

「加給年金」の受給要件、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上について】
 たとえば、会社員として10年加入し、退職・自営業などのブランクを挟んでも、厚生年金の被保険者期間が合計で20年以上、つまり240月以上あればよいと考えます。日本年金機構も「被保険者期間が20年(240月)以上」と説明しており、連続20年とはされていません。

振替加算の定義と加給年金の違い(誰に何が支給されるか)

「加給年金」が配偶者の年齢によって終了すると、バトンタッチするように現れるのが「振替加算」です。

加給年金は「夫の年金」にプラスされますが、妻が65歳になり、自身の老齢基礎年金を受け取るようになると、加給年金は打ち切られます。その代わりに、妻自身の年金に上乗せされるのが振替加算です。

  • 加給年金: 夫の年金につく(妻が65歳になるまで)
  • 振替加算: 妻の年金につく(妻が65歳になってから一生涯

つまり、夫婦の合計受給額で見ると、形を変えて継続されるイメージですね。ただし、金額は妻の生年月日によって異なり、若くなるほど少なくなっていく仕組みです。

対象者の条件まとめ:配偶者(妻・年上)や子どもの基準と昭和41年ルール

「うちは対象になるの?」と気になりますよね。主な条件は以下の通りです。

本人の条件:
1.厚生年金の加入期間が20年以上(または*中高齢者の特例を満たす)こと。
2.厚生年金の受給資格がある人が65歳に到達した時点で、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合(加給年金の場合)

中高齢者の特例とは

加給年金の条件である厚生年金の加入期間20年以上を満たさなくても、一定の人は15〜19年の加入期間で20年以上と同じように扱われる特例です。
対象になるのは、主に1951年(昭和26年)4月1日以前生まれの人で、男性は40歳以降、女性・坑内員・船員は35歳以降に、一定期間以上、厚生年金に加入していた場合です。

配偶者の条件:
1.配偶者が65歳未満であること(加給年金の場合)。
2.本人との*生計維持関係が認められること。
3.収入条件は、原則として*年収850万円未満、または*所得655万5,000円未満

生計維持関係

加給年金や振替加算の判定で使われる、年金上の扶養関係のような考え方です。単に税金や健康保険の扶養に入っているかではなく、主に次の2点で判断されます。

1.生計を同じくしていること
同居している、または別居でも仕送り・生活費の負担などがあり、生活上のつながりがある状態です。
2.収入が一定基準以下であること
一般に、対象となる配偶者や子の収入が基準内であることが必要です。加給年金は「生計を維持されている配偶者や子」がいる場合に加算されます。

つまり、夫の健康保険の扶養に入っていなくても、同一生計で収入要件を満たせば、生計維持関係が認められる可能性があります

年収と所得の違い

年収とは、会社から1年間に支払われる給与・賞与などの**総支給額(額面)**のことです。税金や社会保険料が引かれる前の金額を指します。
所得とは、年収などの収入から、給与所得控除や必要経費などを差し引いた後の金額です。
会社員の場合は、
給与所得=給与収入(年収)-給与所得控除
源泉徴収票では、一般的に「支払金額」が給与収入、「給与所得控除後の金額」が給与所得にあたります。

ここで重要なのが、妻が年上の場合です。 もし妻が既に65歳を過ぎている場合、夫が65歳になっても加給年金はつきません。しかし、振替加算の対象にはなり得ます。また、振替加算には「昭和41年4月1日以前に生まれた人」という年齢制限があります。これより若い世代には、振替加算はつかないという冷徹なルールがあるのです。

支給権発生のタイミングと加入期間・退職後の考え方

支給が始まるのは、原則として「本人が老齢厚生年金の受給権を得たとき」です。通常は65歳ですが、特別支給の老齢厚生年金(60代前半)を受け取っている場合でも、*定額部分の支給が始まるタイミングなどで加算されることがあります。

定額部分

ここで言う「定額部分」とは、65歳前に受け取る特別支給の老齢厚生年金を構成する部分の1つです。特別支給の老齢厚生年金は、主に「報酬比例部分」と「定額部分」から成ります。
分かりやすく言うと、定額部分は65歳から受け取る老齢基礎年金に相当する部分を、65歳になる前に特例的に支給するものです。
金額は、在職中の給料額そのものではなく、厚生年金に加入していた月数などをもとに計算されます。
加給年金との関係では、65歳前でも、この定額部分を受け取れる人は、条件を満たせば加給年金の対象になることがある、という意味です。

早期退職を考えている方にとって重要なのは、「退職時に厚生年金期間が20年を超えているか」です。あと数ヶ月で20年に届くという状況であれば、早期退職を少し遅らせるだけで、生涯で数百万円の差が出ることになります。まずは「ねんきん定期便」で、自分の加入月数を正確に把握しましょう。

2. 振替加算はいつまで支給される?支給停止・終了の具体例

「一度もらい始めたら、ずっともらえるの?」という疑問にお答えします。基本的には「一生涯」ですが、例外もあります。

支給が終了する主なケース:配偶者の死亡・再婚・受給権の発生

加給年金は、配偶者が65歳になると終了します。これは「振替加算にバトンタッチするため」の正常な終了です。

しかし、注意が必要なのは以下のケースです。

離婚: 生計維持関係がなくなるため、加算は止まります。
死亡: 対象となる配偶者が亡くなれば、当然支給は終わります。
再婚: 加給年金をもらっていた本人が再婚した場合、新しい配偶者が条件を満たせば、改めて申請することで支給される可能性があります。

振替加算については、一度妻の年金につけば、妻が亡くなるまで一生涯支給されます。離婚しても、既に振替加算がついている場合は止まりません。

年齢・生年月日による期限(昭和41年・4月1・4月2の扱い)

先ほど少し触れた「昭和41年ルール」について詳しく解説します。 振替加算は、もともと「旧制度から新制度への移行措置」として作られました。そのため、若い世代ほど金額が減り、昭和41年4月2日以降生まれの人には支給されません。

「なぜ自分たちの代からもらえないんだ!」と憤りを感じるかもしれませんが、これは制度上、若い世代は自分自身で厚生年金に加入する機会が増えたため、上乗せの必要性が低いと判断されたからです。ご自身の、あるいは奥様の生年月日を今一度確認してください。

繰り下げや請求のタイミングが支給期間に与える影響

年金の「繰り下げ受給」を検討している方は要注意です。 老齢厚生年金を繰り下げている間は、加給年金も受け取ることができません。加給年金は繰り下げによる増額の対象外なため、「繰り下げている期間分、加給年金をもらい損ねる」という事態が発生します。

例えば、加給年金が年40万円もらえる人が、5年間年金を繰り下げた場合、合計200万円を捨ててしまうことになります。繰り下げによる年金アップ額と、加給年金の受取総額を天秤にかける必要があります。

支給停止になる所得・条件と部分支給になるケース

これも先ほど触れましたが、加給年金や振替加算は、所得制限もあります。 配偶者の年収が850万円(所得で655万5千円)を超えると、生計維持関係がないとみなされ、支給されません。「共働きでバリバリ稼いでいる夫婦」には、この家族手当は出ないということです。

また、配偶者自身が厚生年金に20年以上加入している場合、夫の年金に加給年金はつきません。

3. 振替加算の手続きフローと必要書類:失敗しない方法

「手続きは難しそう……」と敬遠しないでください。ステップを踏めば確実にできます。

申請の基本ステップ(請求→確認→支給)と退職後の注意点

  1. 確認: まずは自分が20年以上の厚生年金期間があるか確認する。
  2. 請求: 65歳になる際の年金請求書(裁定請求書)に、配偶者の情報を記載する。
  3. 確認書類の提出: 生計維持を証明する書類を添える。

特に早期退職された方は、退職後にハローワークでの手続きなど忙しくなりますが、年金の手続きは別物です。誕生日が近づいたら、年金事務所から届く書類を絶対に見逃さないでください。

必須書類一覧:戸籍謄本・住民票・所得証明・年金手帳など

加給年金を申請する際には、以下の書類が一般的に必要です。

戸籍謄本(抄本): 夫婦関係を証明するため。
世帯全員の住民票: 同居(生計同一)を証明するため。
配偶者の所得証明書: 年収850万円未満を証明するため。
年金手帳: 夫婦それぞれのもの。

「住民票はマイナンバーが記載されたものが必要か?」など、時期によって細かいルールが変わることがあるので、取得前に年金事務所に電話で確認するのが一番の近道です。

年金事務所やオンラインでの手続き方法と事前確認ポイント

最近ではマイナポータルからの電子申請も進んでいますが、中高年の方にとっては、一度は年金事務所の窓口で対面相談することを強くおすすめします。

なぜなら、加給年金は「こちらから言わないと見落とされる」リスクがあるからです。窓口で「加給年金の対象になりますか?」とはっきり聞くことで、漏れを防ぐことができます。相談は予約制なので、早めに枠を押さえておきましょう。

書類不備や期限遅れで発生する問題と対処法(注意点)

年金には「5年の時効」があります。 「手続きを忘れていた!」と気づいても、5年以上前の分はさかのぼってもらえない可能性があります。書類が揃わないからと後回しにせず、まずは相談に行くことが大切です。

4. 加算額・金額の計算方法とケース別シミュレーション

さて、一番気になる「いくらもらえるのか」を具体的に見ていきましょう。

基本的な加算額の計算

加給年金額(2024年度の基本額)

対象年額
配偶者234,800円
子(1・2人目 各)234,800円
子(3人目以降 各)78,300円

*加給年金は実際に納めた保険料の額に関係なく、定額を受け取れる仕組みです。

具体的な計算例

夫の老齢厚生年金(報酬比例部分) :150万円/年
           ↓
+ 配偶者加給年金額 :234,800円
+ 子の加算(1人目) :234,800円
+ 子の加算(2人目) :234,800円
+ 子の加算(3人目) :78,300円
───────────────────────────────
合計 :およそ228万円/年

【特別加算(配偶者分)について】

配偶者への加給年金には、夫の生年月日に応じた特別加算があります。

生年月日特別加算額配偶者加給年金の合計
昭和9年4月2日〜昭和15年4月1日33,200円268,000円
昭和15年4月2日〜昭和16年4月1日66,300円301,100円
昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日99,500円334,300円
昭和17年4月2日〜昭和18年4月1日132,600円367,400円
昭和18年4月2日以降165,800円400,600円

例えば夫が昭和40年生まれの場合:
配偶者加給年金 234,800円 + 特別加算 165,800円 = 400,600円/年

月額に直すと、約34,000円。これだけあれば、夫婦で月一回のちょっと豪華な外食や、趣味の費用、あるいは光熱費の足しにするには十分な金額です。

障害年金(2級など)や他制度が金額に与える影響

もしあなたや奥様が障害年金を受け取っている場合、加算の仕組みが変わります。 障害厚生年金を受け取っている方にも「配偶者加給年金」がつくことがありますが、老齢厚生年金との併給調整など、非常に複雑な計算になります。この場合は、自己判断せず必ず専門家(社会保険労務士や年金事務所)にシミュレーションを依頼してください。

5. 「加給年金はずるい」と言われる理由と制度の背景

インターネットなどで「加給年金はずるい」という声を目にすることがあるかもしれません。これに心を痛める必要はありませんが、背景を知っておくと冷静になれます。

よくある不満と誤解:なぜ『ずるい』と感じられるか

不満の声の多くは、「独身者や共働き夫婦にはない特典」に見えることから来ています。 「同じ期間働いたのに、専業主婦の妻がいるだけで40万円も多くもらえるのは不公平だ」という意見です。特に、若い世代からは「自分たちの代には振替加算もないのに」という不公平感が強いようです。

制度設計と改正の歴史:社会保険・年金制度の観点からの解説

加給年金は、かつて「妻は家庭を守るもの」という社会構造が一般的だった時代に、夫の年金だけでは世帯の生活が立ち行かないことを防ぐために作られました。 現在は「女性の社会進出」が進んだため、制度は縮小傾向(振替加算の廃止など)にありますが、今受給権がある方にとっては、長年制度を支えてきた保険料に対する正当な権利です。

6. 手続きで失敗しないための注意点と準備(請求前〜維持まで)

「知っている」を「もらえる」に変えるための最終チェックです。

頻出ミスとチェックリスト:確認すべき項目と期限

  • 自分の厚生年金期間が240ヶ月(20年)以上あるか?
  • 妻の年収が850万円未満であることを証明できるか?
  • 妻が厚生年金に20年以上加入していないか?
  • 住民税非課税世帯などの場合、所得証明書の準備はできているか?

よくあるミスは、「妻も20年厚生年金に入っていたのに、夫が申請してしまう」ことです。この場合、加給年金は支給されません。夫婦それぞれの「働いた経歴」を振り返っておきましょう。

支給停止を避けるための具体的対策(再婚・収入変動など)

もし退職後に再就職し、高い給料を得る場合、あなたの年金自体が「在職老齢年金」の仕組みでカットされることがあります。 老齢厚生年金が全額停止されると、加給年金も道連れで全額停止になります。 「月10万円だけ稼ごう」と思ったら、年金がカットされてトータルの収入が減ってしまった……という悲劇を避けるため、働く時間を調整するなどの工夫が必要です。

「在職老齢年金」とは

在職老齢年金とは、60歳以降に厚生年金に加入しながら働く方の老齢厚生年金が、給与と年金の合計額に応じて調整(減額)される制度です。

主なポイント
1.対象者:会社員として賃金をもらいながら老齢厚生年金を受け取る方。
2.仕組み:賃金と年金の合計が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止になります。
3.2026年4月からの改定:支給停止調整額が 51万円 → 65万円 に引き上げられました。基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下であれば全額支給されます。
4.繰上げ受給の注意点:60歳で繰上げ受給すると年金額が24%減額(月0.4%×60ヶ月)されます。

在職老齢年金制度の計算式

制度の計算式

合計額が65万円を超えた場合の支給停止額

(基本月額 + 総報酬月額相当額 - 65万円)÷ 2 = 支給停止額

例①:全額支給のケース
  • 基本月額(金):10万円
  • 総報酬月額相当額(賃金):50万円
  • 合計:60万円 → 65万円以下のため全額支給
例②:一部支給停止のケース
  • 基本月額(老齢厚生年金):15万円
  • 総報酬月額相当額(給与):60万円
  • 合計:75万円

ステップ1:65万円を超えるか確認
75万円 > 65万円 → 支給停止の対象

ステップ2:支給停止額を計算
(75万円 - 65万円)× 1/2 = 5万円(支給停止額)

ステップ3:実際に受け取れる年金額
15万円(基本月額)- 5万円(停止額)= 10万円/月

例③:全額支給停止のケース
  • 基本月額(老齢厚生年金):8万円
  • 総報酬月額相当額(給与):80万円
  • 合計:88万円

ステップ1:65万円を超えるか確認
88万円 > 65万円 → 支給停止の対象

ステップ2:支給停止額を計算
(88万円 - 65万円)× 1/2 = 11.5万円(支給停止額)

ステップ3:実際に受け取れる年金額
8万円(基本月額)- 11.5万円(停止額)= -3.5万円/月
支給停止額(11.5万円)が基本月額(8万円)を超えるため、老齢厚生年金は全額支給停止となります。

iDeCo・他の保険や老齢年金・基礎年金との関係と影響

iDeCo(個人型確定拠出年金)の受け取りなどは、加給年金には直接影響しません。しかし、加給年金をもらうことで世帯年収が増え、介護保険料や健康保険料の区分が変わることはあります。 「入るお金」だけでなく、それによって増える「出るお金」も想定しておくのが、真のマネープランです。

まとめ:今すぐできる準備と老後の資金戦略

加給年金と振替加算は、知っている人だけが得をする、少し「不親切」な制度かもしれません。しかし、長年社会を支えてきたあなたには、これを受け取る権利があります。

おさらいチェックリスト

□ 夫の厚生年金期間が20年以上あるか確認した
□ 妻の生年月日と年収を確認した
□ 年金事務所の予約電話番号を調べた
□ 繰り下げ受給のデメリット(加給年金消滅)を理解した

今やるべき3つのアクション

  1. 「ねんきん定期便」で加入期間を確認する: 240ヶ月(20年)まであと少しなら、退職時期を調整する。
  2. 夫婦の生年月日をメモして年金事務所へ: 「加給年金・振替加算の対象になりますか?」と予約相談する。
  3. 必要書類をリストアップする: 誕生月の3ヶ月前から準備を始めれば完璧です。


退職は人生の第2章の幕開けです。お金の不安を最小限に抑え、あなたが本当にやりたかったことに時間とエネルギーを使えるよう、今のうちにしっかりと準備を整えましょう。

この記事が、あなたの豊かで安心な老後への第一歩となれば幸いです。

Q&A

Q1. 加給年金の受給要件である厚生年金の加入期間20年以上というのは、途中にブランクがあっても合計20年以上あれば良いのでしょうか?

はい、基本的には途中にブランクがあっても、厚生年金の被保険者期間が合計で20年以上、つまり240月以上あればよいと考えます。日本年金機構も「被保険者期間が20年(240月)以上」と説明しており、連続20年とはされていません。

たとえば、会社員として10年加入し、退職・自営業などのブランクを挟んで、再就職後にさらに10年以上加入した場合、合計で20年以上になれば要件を満たす可能性があります。

Q2. 夫婦共、既に20年以上厚生年金に加入しています。夫が65歳で老成厚生年金を受給するとき、配偶者が60歳でまだ年金を受給していない場合、加給年金は受給できますか?

受給できません。夫妻どちらが受給者になる場合でも、配偶者自身が厚生年金に20年以上加入していれば、加給年金は支給されないというルールが適用されます。

これは「配偶者が独自に十分な老後の年金を持っている」とみなされるためで、性別に関係なく同じ扱いになります。

Q3. 配偶者の年収が600万円で夫の扶養に入っていなかった場合、加給年金は受給できますか?

結論として、年収600万円なら収入基準だけで見ると対象になり得ます。加給年金の配偶者の収入要件は、原則として年収850万円未満、または所得655.5万円未満だからです。

ただし、「夫の扶養に入っていない=即対象外」ではありません。ここで重要なのは、税法上・健康保険上の扶養ではなく、年金制度上の生計維持関係です。加給年金は、生計を維持している65歳未満の配偶者などがいる場合に加算される制度です。

したがって、妻の年収が600万円でも、夫と同一生計で、年齢など他の条件を満たせば、加給年金の対象になる可能性があります。逆に、収入基準内でも生計維持関係が認められなければ対象外になり得ます。

また、先に触れましたが、配偶者自身が厚生年金に20年以上加入していれば、加給年金は支給されないというルールが適用されます。これは「配偶者が独自に十分な老後の年金を持っている」とみなされるためで、性別に関係なく同じ扱いになります。

Q4. 在職老齢年金の基本月額に老齢基礎年金は含まれないのですか?

はい、基本月額に老齢基礎年金は含まれません。

【基本月額の定義】
基本月額とは、老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額のみを指します。具体的には以下のとおりです。

  • 含まれるもの:老齢厚生年金(報酬比例部分)÷ 12
  • 含まれないもの:老齢基礎年金、加給年金額、経過的加算部分

【老齢基礎年金の扱い】
老齢基礎年金は支給停止の対象外であり、在職老齢年金による減額の影響を受けず、全額受給できます。

【よくある誤り】
老齢基礎年金や加給年金を含めて基本月額を計算してしまうケースが見られますが、これは誤りです。
在職老齢年金で調整(減額)されるのは「老齢厚生年金」部分のみ。老齢基礎年金は常に全額受給できます。

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